お菓子作りの最初の記憶は、きっと幼稚園の頃、
母が自家製漬け込みフルーツでパウンドケーキを作るのを
手伝った(というより、ジャマしながら見ていた)ことだと思います。
小さい頃から、子供用のお菓子の本や、雑誌のお菓子特集を切り抜き、
「どんなお菓子が出来上がるんだろう?」と
レシピを見ながらワクワクしていた子供でした。
そのうち自分でも作るようになり、
学校や職場に持っていったお菓子を「おいしい!」と言ってもらえて、
とても嬉しかったのを憶えています。
自分の作ったものを味わい、喜んでいただく。
わたしのお菓子作りの原点は、ここだと思っています。
お菓子は夢のある食べ物です。
でも、お菓子作りは化学だと思います。
なぜスポンジがふくらむのか? なぜパイが層になるのか?
シュークリームがしぼまないようにするには?
パウンドをふわふわにするには?
カスタードクリームをなぜ急冷するのか?
全て理由や方法があります。
味と、食感と、見た目。
この要素がひとつになって、おいしいお菓子と言えるのだと思っています。
それぞれの組み合わせやバランスを考えながら
毎日お菓子と対話をしています。
これからも、いろいろなモノや人に刺激を受けながら
わたしらしい、オリジナリティあふれるお菓子を、
そして、もっと「おいしい」と言っていただけるお菓子を、
たくさんたくさん作りつづけていきたいと思います。
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